
葵
ふるさと納税をした翌年の6月から、住民税が安くなるはずなのに「本当に控除されているの?」と確認方法がわからない方は多いもの。給与明細の住民税欄を毎月見ていても、変化に気づきにくいのが現実です。
この記事では、ふるさと納税の住民税控除が給与明細にどう反映されるのか、6月からの特別徴収の仕組みと確認ポイントを丁寧に解説します。
住民税の特別徴収とふるさと納税控除の仕組み
特別徴収とは何か:6月から税額が変わる理由
会社員の住民税は、毎月の給与から天引きされる「特別徴収」という方法で納めています。住民税の計算は前年の所得をもとに行われ、6月に新しい税額が決定して翌年5月まで毎月給与から差し引かれます。
つまり、2025年にふるさと納税をした場合、控除の効果が給与明細に現れるのは2026年6月からです。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年1〜12月 | ふるさと納税(寄付)を実施 |
| 2026年2〜3月 | 確定申告 or ワンストップ特例の申請締切(1月10日必着) |
| 2026年5月頃 | 会社に住民税の特別徴収税額通知書が届く |
| 2026年6月〜 | 新しい住民税額で天引き開始(控除効果が出る) |
住民税は「所得割」と「均等割」の2種類から構成されています。ふるさと納税の控除が反映されるのは所得割の部分です。5月に自宅または勤務先に届く「住民税決定通知書(特別徴収税額通知書)」でも確認できますが、毎月の給与明細でも月々の変化を追うことができます。
控除額はどのように計算されるか
ふるさと納税の控除は、所得税と住民税の両方に影響します。会社員がワンストップ特例を使った場合は、控除のすべてが住民税から差し引かれます。
| 控除の種類 | 計算方法(目安) |
|---|---|
| 住民税基本控除 | (寄付金額 − 2,000円)× 10% |
| 住民税特例控除(ワンストップ特例) | (寄付金額 − 2,000円)×(100% − 10% − 所得税率) |
| 所得税還付(確定申告の場合) | (寄付金額 − 2,000円)× 所得税率 |
計算例:年収500万円・所得税率10%・寄付6万円の場合
- 住民税基本控除:(60,000円 − 2,000円)× 10% = 5,800円
- 住民税特例控除:(60,000円 − 2,000円)×(100% − 10% − 10%)= 46,400円
- 所得税還付:(60,000円 − 2,000円)× 10% = 5,800円
- 合計控除・還付:5,800 + 46,400 + 5,800 = 58,000円(自己負担2,000円)
ワンストップ特例を使った場合は所得税還付がなく、住民税から合計58,000円がまるごと控除されます。6月から翌年5月まで12か月で分割されるため、月あたり約4,833円の住民税が減ります。
給与明細の住民税欄で確認する方法
ワンストップ特例を使った場合の確認ポイント
ワンストップ特例を申請した場合、確定申告は不要で住民税からすべて控除されます。給与明細の確認は次の手順で行います。
- 6月分の給与明細を手元に用意する(天引き開始月)
- 前年(2025年)6月分の給与明細と比較する
- 「住民税」「市区町村民税」「都道府県民税」の合計を比較
- 寄付額に応じて前年より月額が減っているかを確認
給与明細の表記は会社によって異なります。「住民税」とまとめて1欄になっているケース、「市民税・県民税」と分かれているケースがあります。いずれも合計額を前年と比べれば判断できます。

ひより
確定申告で控除した場合の確認ポイント
確定申告でふるさと納税を申告した場合、控除は「所得税の還付」と「住民税の減額」に分かれます。
- 所得税還付:確定申告後1〜2か月で銀行口座に直接振り込まれる
- 住民税の減額:同じく6月から翌5月まで月割りで天引き額が減る
給与明細での確認方法はワンストップ特例と同じです。6月分の住民税が前年同月より減っていれば、住民税控除は正しく反映されています。
なお、確定申告の場合は住民税の控除額がワンストップ特例より若干少なくなるケースがあります。これは「ふるさと納税の控除が所得税と住民税に分かれて適用される」ためで、異常ではありません。
よくある「反映されない」トラブルと対処法
ワンストップ特例の申請ミス・提出漏れ
「ワンストップ特例を申請したはずなのに住民税が減っていない」というトラブルで最も多い原因が、申請書の不備や提出漏れです。
主なミスのパターン
- 申請書を1月10日の締切までに提出できていなかった
- 複数の自治体に寄付したのに、一部の申請書を送り忘れた
- 引越しや転職で住所・勤務先が変わったのに変更手続きをしなかった
- 5団体(自治体)超に寄付してワンストップ特例の適用要件を外れた
- 確定申告をしたためワンストップ特例が無効になった(確定申告が優先されるが、申告書にふるさと納税の記載漏れがあると控除ゼロになる)
ワンストップ特例の申請書は自治体ごとに提出が必要です。3か所に寄付したなら3枚、それぞれの自治体に送らなければなりません。「まとめて1枚でOK」ではないので注意してください。
確定申告の申告漏れ・時期のズレ
確定申告でふるさと納税を申告した場合のトラブルも見られます。
よくある申告漏れ・ズレのパターン
- 確定申告書に「寄付金控除」の記入を忘れた(源泉徴収票の入力で完結したと思い込む)
- 寄付した自治体が発行する「寄付金受領証明書」を添付し忘れた(e-Taxではデータ添付が必要)
- 確定申告の申告期限(翌年3月15日)を過ぎて申告した場合でも控除は可能だが、住民税への反映は6月より遅れることがある
もし6月になっても住民税が減っていない場合は、申告内容を確認し、必要に応じて更正の請求(5年以内)を行うことで過去分も取り戻せます。
2026年のチェックポイント(確認チェックリスト)
給与明細で控除を確認する手順
2025年にふるさと納税をした方は、2026年6月の給与明細で以下を確認してください。
✅ ふるさと納税 住民税控除 確認チェックリスト(2026年版)
- □ 2026年6月分の給与明細を保管している
- □ 2025年6月分の給与明細(比較用)を手元に用意した
- □ 給与明細の「住民税」欄の金額を前年同月と比較した
- □ 寄付金額から計算した「月あたり控除額(÷12)」と概ね一致している
- □ ワンストップ特例の場合:各自治体に申請書が届いているか受領確認をとった
- □ 確定申告の場合:申告書に「寄付金控除」が正しく記入されているか確認した
- □ 6月以降も住民税が変わらない場合:市区町村の税務担当窓口or確定申告の更正請求を検討する
2026年特有の注意点
2026年はいくつかの制度変更が重なっています。確認時の参考にしてください。
- 定額減税の終了:2024年に実施された定額減税(住民税1万円減)は2025年分から終了。2026年6月の住民税は2024年比で「定額減税分は増えて当然」なので、ふるさと納税の控除と混同しないよう注意
- 電子通知の拡大:住民税決定通知書を電子で受け取れる自治体が増加。会社の経理からの配布がない場合は電子通知を確認する
- ワンストップ特例のマイナンバー添付:マイナポータル経由のオンライン申請が普及。2025年寄付分から対応自治体が増加したため、紙申請との混在に注意

葵
まとめ
ふるさと納税の住民税控除は、寄付した翌年の6月から給与明細に反映されます。確認のポイントは「前年6月の住民税額との比較」です。ワンストップ特例の場合は住民税からまるごと控除、確定申告の場合は所得税還付+住民税減額という形で効果が現れます。
6月になっても変化がないと感じたら、申請書の到達確認や確定申告の申告内容を見直してみましょう。更正の請求は5年以内であれば可能なので、気づいたタイミングで対応できます。
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税務・資産運用・ライフプランの実務を担い、FinLaboの全記事を監修。
※ 本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。税制・制度は変更される可能性があります。最新情報は国税庁ホームページ等でご確認ください。本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談を提供するものではありません。


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