葵
ひより
暗号資産(仮想通貨)の税制が大きく変わります。2028年1月から、現行の最大55%の総合課税から、株式並みの申告分離課税(税率20%)への移行が決定しました。今から準備しておくべきことを整理します。
現行制度と改正後の比較
| 項目 | 現行(〜2027年) | 改正後(2028年〜) |
|---|---|---|
| 課税方式 | 総合課税(給与等と合算) | 申告分離課税 |
| 税率 | 5〜45%(+住民税10%)= 最大55% | 20%(所得税15%+住民税5%)一律 |
| 損失繰越 | 不可 | 3年間繰越控除が可能 |
| 他の金融所得との損益通算 | 不可 | 株式・FXとの通算可能(検討中) |
税負担はどれだけ変わる?数字で見る改正効果
年収800万円の会社員が、仮想通貨で100万円の利益を得た場合を試算します。
現行制度(2027年まで)
約43万円
(所得税33%+住民税10%)
手取り利益:約57万円
改正後(2028年から)
約20万円
(所得税15%+住民税5%)
手取り利益:約80万円
同じ100万円の利益でも、手取りが57万円から80万円に増えます。23万円の差です。高所得者ほどこの差は拡大します。
いくら儲けたら 2028 年待ちが得?含み益額別のシミュレーション

葵

ひより
| 含み益 | 現行制度の税額 | 改正後の税額 | 節税効果 |
|---|---|---|---|
| 50万円 | 約15万円 | 約10万円 | +5万円 |
| 200万円 | 約60万円 | 約40万円 | +20万円 |
| 500万円 | 約200万円 | 約100万円 | +100万円 |
| 1,000万円 | 約470万円 | 約200万円 | +270万円 |
含み益が大きいほど、税率の累進性が効いて節税効果が拡大します。含み益200万円以上なら2028年待ち戦略を真剣に検討する価値があります。逆に小規模利益(50万円以下)なら、市況リスクのほうが大きいので無理に持ち越す必要はありません。
判断軸は「節税効果 vs 2年間の市況下落リスク」の天秤です。仮想通貨は短期で大きく動く資産なので、含み益が小さい段階で利益確定する戦略も合理的です。
2026〜2027年にやるべき準備
「2028年まであと2年ある」ではなく、今から準備することで有利に動けます。
ひより
- 取引記録の整備:過去の購入価格・売却価格・手数料を今のうちに整理。改正後も損益計算は自己申告
- 含み益の保有戦略を見直す:2027年末vs2028年以降の売却を比較シミュレーション
- 損失確定は早めに:現行制度では損失繰越ができないため、2027年以前に損失確定してもメリットがない(2028年以降に繰越可能になってから売却するか検討)
- 申告ツールの見直し:仮想通貨特化の税計算ツール(Gtax・Cryptactなど)が2028年対応を順次開始予定
NFT・DeFi・ステーキング報酬は対象?グレーゾーンの整理

葵

ひより
| 取引種別 | 2028年改正の対象 | 現時点の見通し |
|---|---|---|
| 暗号資産の売買(BTC・ETH等) | ✅ 対象 | 20%申告分離課税 |
| NFT の売買 | ⚠️ 検討中 | 「暗号資産」と同等扱いなら20%・「無体財産」扱いなら総合課税のまま |
| ステーキング報酬 | ⚠️ 検討中 | 受取時点で総合課税(雑所得)のまま継続の可能性が高い |
| DeFi の流動性提供報酬 | ⚠️ 検討中 | 同上・受取時点で総合課税継続の見込み |
| エアドロップ・ハードフォーク | ❌ 対象外見込み | 取得時点で時価評価・総合課税のまま |
ポイントは「売買差益」と「受取所得」の区別。今回の改正で 20% 申告分離課税の恩恵を受けるのは 売買差益(キャピタルゲイン) が中心です。報酬として受け取った時点で総合課税される所得(ステーキング・流動性提供・エアドロップ)は現行制度のままになる可能性が高い、と見ています。
NFT については「暗号資産」と同等扱いになるか、別途「無体財産」として扱われるかで、税負担が大きく変わります。2027 年中の政令・通達で確定するので、NFT 取引が多い方は最新情報を追ってください。
税理士が見る「3つの落とし穴」

ひより
① 2028年1月の境界線問題:年末持ち越しは「12月31日 vs 1月1日」で天国と地獄
2027年12月31日に売却 → 現行制度(最大55%)。2028年1月1日に売却 → 改正後(20%)。たった1日の差で税率が35%変わるケースが出ます。含み益が大きい人ほど「年末にうっかり利確」のリスクが現実的になります。年末年始の取引は意識的に避けるのが安全です。
② 取得価額の整備:過去5年分の購入履歴を「今」掘り起こす
改正後も損益計算は自己申告です。取得価額の証明ができないと「売却額の5%」を取得価額とみなす規定(株式と同じ運用)が適用される可能性があり、ほぼ全額が利益とみなされて課税されます。閉鎖した取引所のデータ、紛失した CSV、海外取引所の履歴など、今のうちに全部 PDF 保存しておくのが必須です。
③ 海外取引所利用者の申告義務:制度改正後も「自己申告」は不変
Binance や Bybit などの海外取引所を利用していても、日本居住者なら日本で申告義務があります。改正後は CARF(暗号資産報告枠組み) によって 2027 年から海外取引所のデータが日本の国税庁にも共有される見込みです。「税率が下がるから申告も緩くなる」は誤解で、むしろ捕捉精度が上がります。海外取引所利用者ほど 2028 年以降の申告整備を急ぐべきです。
注意点:まだ確定していない部分もある
葵
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務・投資アドバイスではありません。暗号資産の税務については税理士にご相談ください。投資判断は自己責任でお願いします。
税務・資産運用・ライフプランの実務を担い、FinLaboの全記事を監修。
※ 本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。税制・制度は変更される可能性があります。最新情報は国税庁ホームページ等でご確認ください。本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談を提供するものではありません。


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