
葵
副業をしている会社員にとって、毎年7月は「住民税の季節」です。新年度の住民税が給与天引きでスタートするこのタイミングで、「副業収入のせいで住民税が増えて、会社に気づかれるかも」と不安になる方は少なくありません。
ただ、対策は存在します。確定申告の際に「普通徴収」を選択することで、副業分の住民税を自分で納付する仕組みに切り替えられます。この記事では、その仕組みと手続きの流れ、7月以降に確認すべきポイントを、税理士監修のもと丁寧に解説します。
住民税の「特別徴収」と「普通徴収」の違い
特別徴収=給与天引き・普通徴収=自分で納付の仕組み
住民税の納付方法には、大きく2種類あります。
| 納付方法 | 仕組み | 会社への通知 |
|---|---|---|
| 特別徴収 | 会社が給与から天引きして市区町村に納付 | あり(税額が会社に通知される) |
| 普通徴収 | 市区町村から届く納税通知書をもとに自分で納付(年4回) | なし(自宅に通知書が届く) |
会社員の場合、勤務先の給与にかかる住民税は原則として特別徴収です。これは法律上の原則であり、選択の余地はありません。
一方、副業(給与以外の所得)については、確定申告の際に「普通徴収を選択する」ことが認められています。これを使えば、副業分の住民税だけを自宅宛ての納税通知書で自分が直接納付することができます。
副業収入が会社に知られる経路
なぜ普通の状態だと会社に副業がバレるのか。その仕組みを理解しておくことが重要です。
住民税は前年の所得をもとに計算され、毎年5月頃に市区町村から会社へ「特別徴収税額通知書」が届きます。この通知書には、社員一人ひとりの住民税額が記載されています。
副業収入がある場合、給与所得だけを前提にした住民税額より明らかに高い金額が通知されます。経理担当者や上司がその変化に気づいて、「給与以外の収入があるのでは?」と察することが、副業バレの最も多い経路です。
普通徴収を選択すれば、副業分の住民税は自宅に届く納税通知書で自分が納付するため、会社に届く通知書には給与所得分の住民税額しか記載されません。これが副業バレを防ぐ手段として有効な理由です。
確定申告で普通徴収を選択する方法
確定申告書第二表での選択方法
普通徴収の選択は、確定申告書の第二表で行います。具体的な手順は次のとおりです。
【確定申告書での普通徴収選択 ステップ】
- 確定申告書 第二表を開く
- 「住民税・事業税に関する事項」欄を探す
- 「給与・公的年金等以外の所得にかかる住民税の徴収方法の選択」の欄で「自分で納付(普通徴収)」にチェックを入れる
- 副業収入(事業所得・雑所得等)の金額を正確に記入して申告する
e-Tax(電子申告)でも紙の申告書でも、同様の項目があります。e-Taxを使う場合は「住民税等に関する事項」のステップで「自分で納付」を選択してください。
なお、重要な注意点として、普通徴収を選択できるのは「給与・公的年金等以外の所得」に対する住民税部分のみです。本業の給与にかかる住民税は、依然として会社経由の特別徴収が維持されます。完全に会社を通した納税をゼロにすることはできません。

ひより
申告期限を過ぎてしまった場合の対処法
「2025年分の確定申告(2026年3月締切)でそもそも普通徴収を選択し忘れた」というケースでは、どうすればよいでしょうか。
残念ながら、確定申告書提出後に徴収方法だけを変更することは基本的にできません。ただし、以下のような対処法があります。
- 更正の請求・修正申告を行う:申告内容に誤りがある場合、更正の請求で内容を修正するタイミングで徴収方法の変更も可能なケースがあります。ただし単なる記入漏れの修正目的での更正の請求は認められない場合もあるため、税務署に相談が必要です。
- 自治体に直接問い合わせる:市区町村によっては、一定の条件のもとで特別徴収から普通徴収への切り替えに応じてくれる場合があります。住民税の通知書が会社に届く5月前であれば、可能性がある自治体もあります。2026年の7月以降については対応が難しくなります。
- 来年の確定申告で必ず選択する:今年分の対応が難しければ、2026年分の確定申告(2027年3月締切)では必ず普通徴収を選択することが重要です。
2026年7月以降の住民税天引きはどうなる?
7月から新年度の住民税が始まる仕組み
住民税は毎年6月に新年度が始まり、6月から翌年5月にかけて12回(毎月)給与から天引きされます。計算の元になるのは前年(1月〜12月)の所得です。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 前年(2025年)1〜12月 | 副業収入を含む所得が発生 |
| 2026年2〜3月 | 確定申告(普通徴収の選択もここで) |
| 2026年5月頃 | 市区町村が住民税を計算・会社に通知書送付 |
| 2026年6月〜2027年5月 | 新年度の住民税天引きスタート |
| 2026年7月(第2期) | 普通徴収の場合、第1期(6月)に続き納税通知書で自己納付 |
住民税の特別徴収は6月スタートですが、実務上は7月の給与明細から増額が目立つケースが多いです。6月から変更になるため、5月までの天引き額と比較すると変化が大きく見えます。この「7月から天引き増えた」という変化が職場内で気づかれることもあるため、普通徴収の選択が大切です。
今年の確定申告で普通徴収を選んだ人の確認方法
2026年2〜3月の確定申告で普通徴収を選択した方は、きちんと手続きが反映されているか確認しておきましょう。
【普通徴収の適用確認チェックリスト】
- ☐ 自宅に「住民税納税通知書」が届いているか確認する(6月頃〜)
- ☐ 納税通知書の「所得の内訳」に副業収入が反映されているか確認する
- ☐ 給与明細の住民税欄が、副業なしの場合と比較して不自然に増えていないか確認する
- ☐ 普通徴収分の納付期限(第1期:6月末、第2期:8月末、第3期:10月末、第4期:翌1月末)を把握しておく
なお、市区町村によっては申告内容通りに処理されない場合もあります。通知書が届いたら必ず内容を確認し、疑問があれば住所地の市区町村税務課に問い合わせてください。
普通徴収にしても「バレる」ケースと注意点
住民税額の変化で気づかれるリスク
普通徴収を正しく選択しても、会社にまったく気づかれないかというと、完全にゼロとは言い切れません。いくつかのリスクを把握しておきましょう。
- 特別徴収額の変化から推測される:本業の給与が変わっていないのに、翌年の特別徴収税額が前年と比べて増減していると、給与以外の所得変動を疑われる可能性があります。特に大幅に増えた場合は注意が必要です。
- 自治体の処理漏れ・選択が反映されないケース:確定申告で普通徴収を選択しても、自治体や税務署の処理の都合で特別徴収のまま会社に通知が行ってしまうことがごくまれにあります。念のため、6月の給与明細と自宅への納税通知書の両方を確認することを推奨します。
- 副業先が給与所得として報告している場合:副業がアルバイト・パートなど「給与所得」に分類される場合、普通徴収が選択できないことがあります。副業先が源泉徴収票を提出しているケースでは、そもそも普通徴収の選択欄が適用されない場合があるため注意が必要です。
社会保険料・年末調整との関係
住民税の普通徴収は、副業バレ対策として有効ですが、社会保険料や年末調整とは仕組みが異なります。混同しやすいポイントを整理します。
| 項目 | 副業との関係 | 会社への影響 |
|---|---|---|
| 住民税(給与所得分) | 給与所得のみ反映・特別徴収 | 通知あり(給与所得部分のみ) |
| 住民税(副業所得分) | 普通徴収を選択すれば自己納付 | 通知なし |
| 社会保険料 | 副業収入は原則影響なし(個人事業主として副業の場合) | 基本的に影響なし |
| 年末調整 | 給与所得のみが対象。副業は確定申告で別途処理 | 副業収入は記載しない |
社会保険料については、副業が個人事業主(フリーランス)として行われている場合は、副業収入の多寡に関わらず会社の健康保険・厚生年金の保険料には影響しません。ただし、副業先でも給与所得が発生する場合(ダブルワーク)は、社会保険の二重加入や標準報酬月額の合算が必要になるケースがあります。これは住民税とは別のルールで、別途確認が必要です。
年末調整は本業の会社でのみ行い、副業収入は含めません。副業収入は翌年2〜3月の確定申告で個別に処理します。

ひより
まとめ:7月前に確認しておくこと
副業収入の住民税「普通徴収」選択は、確定申告時に第二表で選択するだけの手続きです。会社に副業を知られたくない方にとって、もっとも基本的かつ正当な対策です。
2026年7月から新年度の住民税天引きが本格化するこのタイミングで、今一度確認しておきたいポイントをまとめます。
✅ 7月前に確認すべきチェックリスト
- 2026年確定申告書の第二表で「自分で納付(普通徴収)」を選択したか
- 自宅に住民税の納税通知書が届いているか(6月〜)
- 普通徴収分の納付期限(第1期:6月末・第2期:8月末)を把握しているか
- 副業が「給与所得」ではなく「事業所得」または「雑所得」であるか
- 来年以降も確定申告で必ず普通徴収を選択する予定を立てているか
今年の対応が間に合わなかった方も、来年の確定申告では必ず選択を。そして選択し忘れた場合は、自治体への早期相談が有効です。
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この記事はAIエージェント(葵)が生成し、税理士・FP1級資格保有者(ひより)が内容を確認・監修しています。税務・FPに関する最終的な判断は、ご自身または専門家にご相談ください。
税務・資産運用・ライフプランの実務を担い、FinLaboの全記事を監修。
※ 本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。税制・制度は変更される可能性があります。最新情報は国税庁ホームページ等でご確認ください。本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談を提供するものではありません。


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