「児童手当が高校生まで出るようになったのは知ってるけど、うちは何がもらえるの?」「大学生の子どもがアルバイトを増やしたら扶養から外れる?」——2024〜2026年にかけて子育て支援に関わる制度が次々と見直され、家庭によって影響がかなり違います。FinLaboでは、児童手当の最新仕様・大学生扶養の新しいルール・育休中の社会保険料免除という3テーマに絞り、「うちはどれが使えるか」を確認できるよう整理しました。

葵
児童手当2026年の最新仕様
2024年10月から大幅に拡充された児童手当は、2026年現在も同じ制度が継続しています。変更点は多岐にわたるため、改めて全体像を整理します。
高校生まで拡充・第3子以降3万円の全体像
旧来の児童手当は「中学校修了まで(15歳になった年度末まで)」が対象でしたが、2024年10月の改正で18歳になった年度末(高校3年生相当)まで引き上げられました。支給月額は以下のとおりです。
| 子の年齢 | 第1子・第2子 | 第3子以降 |
|---|---|---|
| 0〜2歳(3歳未満) | 15,000円 | 30,000円 |
| 3歳〜高校生年代(18歳年度末まで) | 10,000円 | 30,000円 |
「第3子以降」のカウント方法も変わりました。従来は「18歳年度末までの子のうち上から3人目以降」でしたが、2024年10月改正後は22歳年度末までの子(就学中の大学生など)まで含めてカウントします。たとえば22歳の大学生・20歳の大学生・高校生の3人きょうだいがいる場合、高校生が「第3子」として3万円の支給対象になります。
また、所得制限(所得上限・特例給付)は2024年10月改正で完全撤廃されています。高所得世帯でも支給額は同じです。
年間の支給額イメージ(概算)を示します。
| 家庭の状況 | 月額合計 | 年間受取額(概算) |
|---|---|---|
| 子1人(0〜2歳) | 15,000円 | 約18万円 |
| 子1人(3歳〜高校生) | 10,000円 | 約12万円 |
| 子2人(小学生+中学生) | 20,000円 | 約24万円 |
| 子3人(22歳以下でカウント) | 50,000円〜 | 約60万円〜 |
支給は年3回(2月・6月・10月)に4か月分ずつまとめて振り込まれます。
所得制限撤廃後の手続きと注意点
所得制限撤廃に伴い、過去に「特例給付(5,000円)」を受けていた高所得世帯や、所得超過で受給を停止されていた世帯は自動的に本来の支給額に切り替わっているわけではありません。自治体によって手続きが異なるため、以下の点を確認してください。
- 新たに申請が必要な場合: 所得超過で受給を停止していた世帯は、改めて市区町村窓口またはオンラインで申請手続きが必要です
- 高校生分の追加申請: 2024年10月時点で中学3年生(15歳)以下の子がいた世帯は自動延長されますが、高校入学に合わせて追加申請が必要な場合もあります
- 第3子カウント見直しの申請: 大学生(22歳年度末まで)を含めて第3子以降の月額3万円に該当するようになった場合は、申請が必要です
自治体の窓口やマイナポータルで「認定通知書」の内容を確認し、現在受け取っている金額と上記の表を照合することを推奨します。
扶養控除の見直し(大学生の壁)
2026年から大学生世代(19〜22歳)の扶養に関する取り扱いが変わります。増税なのか減税なのか、混乱している方も多いため、仕組みを丁寧に整理します。
特定親族特別控除(2026年〜)の仕組み
従来の制度では、19〜22歳の大学生等がアルバイト収入で年間103万円を超えると、親の扶養控除(63万円の所得控除)が丸ごとゼロになっていました。いわゆる「103万円の壁」です。
2026年1月から、この壁を緩和するために特定親族特別控除が創設されました。仕組みは以下のとおりです。
| 大学生等の合計所得 | 親が受けられる控除額 |
|---|---|
| 48万円以下(給与収入103万円以下) | 63万円(従来の特定扶養控除と同じ) |
| 48万円超〜58万円以下(給与収入103〜123万円) | 63万円(変わらず満額) |
| 58万円超〜68万円以下(給与収入123〜133万円) | 48万円 |
| 68万円超〜78万円以下(給与収入133〜143万円) | 33万円 |
| 78万円超〜88万円以下(給与収入143〜153万円) | 18万円 |
| 88万円超〜98万円以下(給与収入153〜163万円) | 3万円 |
| 98万円超(給与収入163万円超) | 0円 |
ポイントは「103万円を1円でも超えたら控除ゼロ」というクリフ(崖)がなくなり、段階的に控除額が逓減する構造になったことです。子どものバイト収入が増えても、親の税負担が急増するリスクが緩和されます。
ただし、扶養控除の対象になるには親・子双方の生計要件や同一生計要件を満たす必要があります。一人暮らしの大学生でも、親が生活費を仕送りしていれば生計同一と認められるのが一般的です。
大学生バイト収入が増えた場合の影響シミュレーション
モデルケースで確認します。親の年収が600万円(課税所得300万円程度)で、19〜22歳の大学生の子が1人いる家庭を想定します。
| 子のバイト年収 | 親の控除額 | 旧制度(〜2025年) | 新制度(2026年〜) | 差額(税負担の差) |
|---|---|---|---|---|
| 103万円以下 | 63万円 | 控除あり(63万円) | 控除あり(63万円) | 変化なし |
| 110万円 | 63万円(新制度) | 控除ゼロ → 税負担増 | 63万円維持 | 約12〜18万円の増税回避 |
| 130万円 | 48万円(新制度) | 控除ゼロ → 税負担増 | 48万円適用 | 約9〜13万円の増税回避 |
| 150万円 | 18万円(新制度) | 控除ゼロ → 税負担増 | 18万円適用 | 約3〜4万円の増税回避 |
| 163万円超 | 0円 | 控除ゼロ | 控除ゼロ(同じ) | 変化なし |
上表の「差額」は所得税と住民税を合わせた概算です。子のバイト収入が163万円未満の範囲であれば、2026年以降は親の税負担が軽減または現状維持となります。

ひより
育休中の社会保険料免除ルール
育児休業中は健康保険料と厚生年金保険料が免除されます。2022年の法改正以降、ルールがやや細かくなったため、給与・賞与それぞれについて整理します。
月単位免除の条件と給与支払日の考え方
給与(月々の報酬)に対する社会保険料は、育児休業を取得した月から復帰した月の前月まで免除されます。注意点は「月」の単位で判定するという点です。
- 月の途中から育休を開始した場合、その月の末日まで育休が続いていればその月全体が免除対象
- 月の末日を含まない育休(月の途中で復帰)の場合、その月は免除対象外
たとえば、6月20日から育休を取得して7月31日まで育休が続く場合、6月・7月ともに免除対象となります。一方、6月20日から育休を取得して6月30日に復帰する場合、6月は末日を含まないため免除対象外です。
2022年10月からは「産後パパ育休」(出生時育児休業)の免除も整備されました。男性が子の出生後8週間以内に最大4週間取得できる制度で、この期間中も同様に社会保険料が免除されます。
賞与への免除適用の要件(2022年改正以降)
賞与(ボーナス)への免除は2022年10月の法改正で要件が厳格化されました。改正前は「育休期間に賞与支払月が含まれれば免除」でしたが、改正後は以下のいずれかを満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 要件① | 賞与の支払月の月末日まで育休が継続していること |
| 要件② | 育休の期間が連続して1か月超であること(かつ賞与支払月内に育休期間が含まれること) |
要件②が追加されたことで、「賞与支払月に短期の育休を設定して保険料を節税する」いわゆる「抜け道活用」が封じられています。1か月超の育休を取得した上で賞与支払月が育休期間と重なっている場合は、引き続き免除が適用されます。
なお、免除された期間の社会保険料は年金受給額の計算にもしっかり反映されます。標準報酬月額・標準賞与額が保険料を払ったものとして扱われるため、免除期間が将来の年金に不利に働くわけではありません。
子育て世帯が今すぐ確認すべきチェックリスト
制度をまとめて把握したところで、実際に「自分の家庭で申請・確認が必要なこと」を洗い出せるチェックリストを用意しました。
申請もれが起きやすい手続き一覧
以下の項目に当てはまる場合は、早急に確認・手続きを行ってください。
| チェック項目 | 対象者 | 手続き先 |
|---|---|---|
| 児童手当:過去に所得超過で停止・減額されていた | 高所得世帯 | 居住市区町村窓口・マイナポータル |
| 児童手当:高校生の子がいる(2024年9月以前に受給停止) | 高校生の子がいる世帯 | 居住市区町村窓口 |
| 児童手当:大学生(22歳以下)の子を含めると3人目以降になる | 3人以上の子がいる世帯 | 居住市区町村窓口 |
| 扶養控除:19〜22歳の子のバイト収入が103万円〜163万円 | 大学生の子がいる世帯 | 年末調整・確定申告で新制度に基づき申告 |
| 育休:産後パパ育休の取得を検討中(男性) | 0〜8週齢の子がいる父親 | 勤務先・健康保険組合 |
| 育休:賞与支払月に育休が重なる予定 | 育休取得予定者 | 勤務先の人事・総務に確認 |
| 育休:育休終了月と保険料免除の月の境界を確認したい | 育休中の方・復帰予定者 | 勤務先の人事・健康保険組合 |
特に児童手当の手続きは遡及支給ができない自治体がほとんどです。制度改正で受給条件が変わっているのに申請していない場合、その間の受給分が永久に消えます。「自動で増額されるはずでは?」と思い込んでいると申請もれになりやすいため、早めの確認を。
年末調整では2026年から特定親族特別控除の申告欄が新設されています。大学生の子がいる場合は、子のアルバイト収入見込みを踏まえて適切な欄に記入してください。
まとめ
2024〜2026年の子育て支援制度は、大きく3方向で使いやすくなりました。児童手当は高校生年代まで対象が広がり、所得制限も撤廃。大学生の扶養は103万円の崖がなくなり、バイト収入が増えても段階的な逓減に。育休中の社会保険料免除は賞与への要件が整理され、1か月超の育休を取れば賞与月も恩恵が続きます。
ただし、どの制度も「自動的に適用される」わけではなく、申請や年末調整での記入が必要なものが多い点に注意が必要です。特に児童手当は遡及ができないケースが多いため、改正後に手続きをしていない心当たりがある方は今すぐ確認することをおすすめします。

葵
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税務・資産運用・ライフプランの実務を担い、FinLaboの全記事を監修。
※ 本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。税制・制度は変更される可能性があります。最新情報は国税庁ホームページ等でご確認ください。本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談を提供するものではありません。


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