2026年4月末に100万円をAIエージェントに委ねてから、約2.5ヶ月が経過しました。デイリーレポートでは日々の数値をお届けしてきましたが、今回は「中間レビュー」として、ポートフォリオ全体の振り返りと、現在直面している2つの判断——円安ルール発動と待機資金の扱い——を整理します。
葵
1. 2.5ヶ月のパフォーマンス
各銘柄の損益一覧(2026年7月9日時点)
約定完了(2026年5月8日)を起点に、2026年7月9日現在の評価額をまとめます。
| 銘柄 | 購入額 | 現在評価額 | 含み益 | 損益率 |
|---|---|---|---|---|
| eMAXIS Slim S&P500 | 200,000円 | 211,607円 | +11,607円 | +5.80% |
| eMAXIS Slim TOPIX | 150,000円 | 161,938円 | +11,938円 | +7.96% |
| iFreeNEXT インド株 | 150,000円 | 150,393円 | +393円 | +0.26% |
| iFreeNEXT ベトナム株 | 100,000円 | 100,976円 | +977円 | +0.98% |
| iFreeNEXT 全世界半導体 | 100,000円 | 109,387円 | +9,386円 | +9.39% |
| 投資部分 合計 | 700,000円 | 734,300円 | +34,300円 | +4.90% |
| 待機資金(現金) | 300,000円 | 300,000円 | — | — |
| 総資産 | 1,000,000円 | 1,034,300円 | +34,300円 | +3.43% |
基準価額はすべて2026年7月9日の公式データ(eMAXIS Slim:三菱UFJ AM公式API、iFreeNEXT:大和AM公式CSV)より取得。
牽引役は半導体とTOPIX
半導体ファンドが+9.39%で首位。2026年春以降のNVIDIA関連銘柄の回復・AI需要の継続が追い風となりました。TOPIXも+7.96%と好調で、国内景気と円安環境が国内株を下支えした形です。
一方、インド(+0.26%)・ベトナム(+0.98%)は購入直後から横ばい圏。新興国ファンドは数年単位での成長を前提としているため、2.5ヶ月では判断材料になりません。当初の方針通り、長期保有継続です。
2. ドル円の動きとRule3の発動
円安Rule3が161.57円を超えた
このチャレンジでは、当初から為替に連動した運用ルールを設定しています。基準日(2026年5月8日終値)のドル円は156.86円でした。
| ルール | 条件 | 発動ライン | 現在値(7/9) | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| Rule2(円高→追加投入) | アンカーから3%以上円高 | 152.15円以下 | 162.41円 | 未発動 |
| Rule3(円安→通知) | アンカーから3%以上円安 | 161.57円以上 | 162.41円 | 発動済み |
7月に入り、ドル円は161.57円を上抜けました。Rule3の条件(アンカーから3%以上の円安)を満たしています。このルールの意味は「円安でドル建て資産の含み益が膨らんでいる状態を認識し、リバランスを検討するかどうか手動判断する」というものです。
特定口座の半導体をどうするか
Rule3が発動した場合のリバランス候補は、特定口座で保有する「iFreeNEXT 全世界半導体株インデックス」です(NISA口座の銘柄は非課税枠保全のため対象外)。
半導体ファンドの現況を整理します。
- 取得単価:16,184円(10,000口あたり)
- 現在基準価額:17,703円(+1,519円)
- 保有口数:61,790口
- 含み益:+9,386円
- 売却した場合の税コスト(20.315%):約1,907円
- 手取り利益:約7,479円
2.5ヶ月でこのパフォーマンスは悪くありません。ただ、「今売るべきか」という判断は難しい。半導体セクターはAI需要の継続が前提であり、まだ上値余地がある可能性もあります。売却のメリット(含み益確定・リバランス)と、保有継続のメリット(更なる上昇機会)を天秤にかける局面です。
ひより
3. 待機資金30万円の機会損失を考える
もし最初から全額投資していたら?
待機資金30万円を、仮に4月末の時点でS&P500に全額投資していた場合のシミュレーションです。
| シナリオ | 投資額 | 現在評価額(試算) | 追加含み益 |
|---|---|---|---|
| 全額S&P500に追加投入 | 300,000円 | 317,400円 | +17,400円 |
| 現行(待機資金保有) | 300,000円(現金) | 300,000円 | — |
S&P500が+5.80%上昇した2.5ヶ月では、待機資金を保有していたことで約17,400円の機会損失が生じた計算になります。
それでも待機資金を持つ合理性
「17,400円の機会損失」という数字だけ見ると、全額投資が正解に見えます。しかし、待機資金には追加投入ルールとのセットで意味があります。
このチャレンジで設定した追加投入ルールは以下の通りです。
- Rule1:S&P500または日経平均が直近高値から5%調整 → 10万円追加(最大3回)
- Rule2:ドル円が3%以上円高 → 10万円追加(最大3回)
これはいわゆる「押し目買い」の仕組みです。相場が下落・円高になった局面で安く買い増せるオプションとして、30万円を温存しています。
2.5ヶ月のうちに大きな調整はなく、結果的に追加投入のタイミングは来ませんでした。これを「待機資金が活躍できなかった」と見るか、「相場が順調だった証拠」と見るかは人それぞれです。
ただし、次のことは言えます。S&P500が5%調整した場合(Rule1発動)、10万円を追加投入できれば取得単価を引き下げ、回復局面でのリターンを高める効果があります。その「オプション価値」と17,400円の機会損失を比較したとき、どちらが大きいかは運用環境次第です。
結論として、FinLaboでは待機資金の維持をリスク管理の一部と捉えています。「機会損失があった=間違いだった」とは評価しません。
4. リバランスの結論
今回のリバランスはなし
Rule3(円安通知)が発動した状態ですが、今回のリバランスは実施しません。理由は以下の通りです。
- 半導体の含み益(+9,386円)に対して売却コスト(税・機会損失)が割に合わない水準
- AIへの需要が続く限り、半導体セクターの上値余地は残る
- NISA口座の4銘柄はリバランス対象外(非課税枠の保全優先)
- 待機資金は今後の調整局面での追加投入に備えて維持
Rule3は「円安になったら自動で売る」ではなく「円安になったら状況を確認する」というルール設計でした。確認した結果、現時点では動かないという判断です。
次に動くとしたら
今後のトリガーとなり得る局面を整理します。
- Rule1発動(S&P500が5%調整):追加10万円投入を検討
- Rule2発動(ドル円152.15円以下):追加10万円投入を検討
- 半導体が含み益+20%超:特定口座のリバランスを本格検討(利益確定)
いずれも「相場の状況が変わったとき」への対応です。予め条件を決めておくことで、感情に流された売買を避けることが、このチャレンジの根幹にあります。
まとめ
2.5ヶ月の中間レビューをまとめます。
- 総資産:1,034,300円(+34,300円 / +3.43%)
- 半導体+9.39%・TOPIX+7.96%が牽引、新興国は横ばい継続
- 円安Rule3が発動済み(162.41円)、確認した結果リバランスはなし
- 待機資金30万円は「押し目買いのオプション」として維持——機会損失は認識しつつも合理的判断
葵
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税務・資産運用・ライフプランの実務を担い、FinLaboの全記事を監修。
※ 本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。制度・税制・市況は変更される可能性があります。投資判断は読者自身の責任で行ってください。


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